久々、とある年末の授業に参加してみてふと思ったこと。
この授業(ケーススタディ)のテーマは起業と中小企業の第二創業(経営革新)で、様々な経営課題を持った中小企業の事例が紹介され、それに対して自分なりの考えをまとめ解決策を表現するのが主題です。
授業はそれぞれの院生が示した見解・提案が文章という形で共有資料として示されるので、それを全員が参照・共有することにより更なる深堀や発展的応用等を含め検討され、その提案は更なる高みに向かいます。
今回は、
・大手ITサービス企業の上級管理職
・大手建設業、技術畑のベテラン幹部
・大手食品メーカーの生産設備系上級エンジニア
・自動車メーカー系シンクタンクの上級コンサルタント
・中小製造業の営業幹部
・大手SI’erの生え抜き幹部(事業創造担当)
・創業&研究支援企業の経営幹部
・起業→Exit経験アリのシリアルアントレプレナー
とまぁ、多彩な経歴を持つ院生メンバーが同じ目的に向けて、それぞれの知見を持ち寄りながら対話します。
つまりお互いの発言の意味を共有しながらそれぞれが提起した解決策案を共有し、より高めていきます。
そしてこの、『意味を共有しながら対話』がポイントです。
対話のテーマは『経営』に係る事柄なので、そもそも経営に関する知見がないと対話不能、つまり話になりません。
なので、日工大MOTでは入学後にまず経営に係る基礎理論を学びます。
そして、基礎の発展・応用レベルの知見をも順次学び取って行きます。
さらに、自社独自の強みを持つ(多くは中小)企業の経営にFocusを当てつつのMOT:技術経営の文脈に沿う形のレクチャを受けながら自身の考えを表現することを経験していきます。
そのプロセスがあるので、経営経験のない院生はもちろん経営者である院生も自身の判断基準により客観的な評価を行うことが可能となり、他者に自身の考えを表現しやすくなります。
そうやって経営に係る知見の基礎から応用、そしてより実践的なケース・スタディへの取り組みと、段階的な自己革新を経て院生は自身の課題を解決すべく進化していきます。
対話は重要で相手と互いの知見を共有しながらさらにその共有知を創発にまで高めていく、しかしながらまずはその土台となる知見は学び摂り入れておく必要があります。
日工大MOTの院生は、その道のプロ、つまりある分野の専門家な方ばかりです。
その道は、何らかのモノ作りだったりサービスだったり独自なマーケットを持つビジネスだったり、さまざまではあります。
いわゆる、ヒトカドの人。
特定分野で一人前はもちろん、それなりの実績のある人。
恐らくそのヒトカドの人の得意分野の話を聞くだけでも面白いし、色々と勉強になると思います。
そんな方々が経営関連の何らかの課題を共有し、それに向けての解決策を導くべく対話を重ねると。
なるほど、その過程からして面白そうだし何よりお互いに楽しそうだわ。
そして授業の後半、『実際のところこの会社はどうなったのか?』という、ネタあかし的ガイダンスがあります。
ここで伝えられる内容は、ある意味担当教授の腕の魅せどころで、多くは院生の予想を超えるシナリオが用意されています。
『あ~。。』
『をー、そう来るか。。』
的な呻き声が出ることもしばしばです。ww
で、それに対してまた、自身の考えをまとめ課題として提出する。
そこでまた一段、自身の知見がより深まり広がる手応えを得られる場合が多いようです。
基礎を学ぶ春、発展・応用の夏、そして実践の秋。
ここから先は、自身のテーマを見出し特定課題研究としてまとめ表現する最終段階に差し掛かります。
頑張れ17期生、あと少しだ。